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ケンウッドの“音質マイスター”

ケンウッドでは“音の責任者”である“音質マイスター”という役職を、企画・開発・販売の責任者とは別に設けています。ケンウッドの“音質マイスター”の許可が下りた製品だけを市場投入するようにしているのです。毎回発売される新製品は、この音質マイスターの厳しいチェックをパスしているのです。
ケンウッドで“音質マイスター”の肩書きを持つ人物は現在3名です。それぞれホームオーディオ、スピーカーシステム、カーオーディオの各事業部に在籍しています。ケンウッドの“音質マイスター”はハイエンドの製品だけではなく、普及価格帯の製品も含めたほとんどの製品のチェックを行っています。
ケンウッドの“音質マイスター”という制度ですが、オーディオブームのころには必要なかったんだそうです。そもそも、ケンウッド以外のどのメーカーもこういうことをやっていたし、技術者もきちんとした耳を持っていたのだそうです。でも、今のモノ作りの現状は、電気技術者にとってオーディオはそんなに一般的なものではなくなってきていて、むしろコンピューターなどのほうが一般的になり、ケンウッドの“音質マイスター”のような仕事ができる人間が減ってきているのだそうです。しかし一方では、モノ作りが本物志向になってきて、良いものを作るためにはケンウッドの“音質マイスター”のような品質を管理できる人間が必要になってくるわけです。

ケンウッドがPC業界に!

ケンウッドは2002年に、PCとその周辺機器を得意とするイーヤマとコラボレーションし、新コンセプトの製品を開発しました。「AVENUE」と名付けられたこの製品は、ノートPCと音響機器を得意とするケンウッドのオーディオ機器を組み合わせ、1つのシステムを構成しています。
この製品でケンウッドは、初めて本腰を入れてパソコン市場に乗り出したという意味では記念すべき製品だといえます。
実はケンウッドは、以前にもソーテックとの提携でパソコン市場に参入したことがありました。ですから『初めてパソコン市場に参入する』というのは間違いではないか、と指摘があるかもしれません。しかし、ソーテックとの提携で投入されたAFiNA AVは、オーディオ部分に関して、ケンウッドからソーテックへ部品のOEM供給によって実現されたものでした。正確には、ケンウッドブランドを残していることからOEMという言葉はふさわしくないかも知れませんが、乱暴な言い方をすれば、AFiNA PCが売れようが売れまいが、ケンウッドは、一定数量の製品をソーテックに納めれば、それで事業が完結するという仕組みでした。
「AVENUE」でのケンウッドとイーヤマの提携は、ともに事業責任を負う形で製品化したものです。設計、開発、生産はもとより、営業体制についてもケンウッドとイーヤマが共同で展開しました。

ケンウッドのはじまり

ケンウッドは1946年にラジオの修理や組み立てを行う「春日無線電機商会」として生業に長野県赤穂に創業しました。
やがて春日無線電機商会(ケンウッド)は事業領域を家庭用・車載用オーディオ事業や業務用無線機器事業へと発展させていきました。また、春日無線電機商会(ケンウッド)はビジネスエリアも日本から北米や欧州、アジア・中国、東欧・ロシア、中南米、中近東へとワールドワイドに展開してきました。
そして、外国との取り引きを開始するために、義理の兄弟3人で設立したということでケンウッドの前進である「トリオ」と社名を変更しました。
ところがアメリカで同名の類似品があることが判明し、急遽、取扱商品に「ケンウッド」という名称があったため、しばらく国内は「トリオ」、海外は「ケンウッド」と二重ブランドを使用。
1986年に社名を現在のケンウッドに変更しました。
ケンウッドは特にバブル経済崩壊後、厳しい経営環境を受けて一旦は業績が低迷しましたが、2002年7月以降、大胆な構造改革に取り組み、2005年8月には財務基盤・資本構造改革を終えて、現在のケンウッドは順調に業績を伸ばしているようです。

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